カジュアルフライデー

2025-08-12

カジュアルフライデーとは?—金曜だけのリラックスコード

毎週金曜日はカジュアルフライデー。

オーストラリアでは多くの企業がこの慣習を取り入れており、金曜日はカジュアルな服装で勤務して良い日とされています。オーストラリア特有かどうかはさておき、この日は職場の誰もがちょっとワクワク。

普段はビジネスカジュアルですが、金曜はさらにラフになり、シャツやパーカー、ジーンズが定番スタイル。とはいえ、流石に真夏でも短パンやサンダルで出社する人は見かけません。

初めてのカジュアルフライデー体験——驚きと喜びの瞬間

僕はスーツやネクタイが苦手なので、このカジュアルフライデーの文化が大好きです。初めてこの慣習に出会った日は今でもよく覚えています。

僕の勤務初日は水曜日、二日後の金曜日にはランチ BBQ のイベントがありました。カジュアルフライデーの存在を知らなかった僕は真っ白なシャツで出社。すると、ほとんどの同僚たちは T シャツにジーパンで出勤していてびっくり!

「今日は特別なイベントの日だからかな」と思っていましたが、ランチ中に「今日だけ特別なの?」と聞くと「いや、毎週金曜日はカジュアルフライデーだよ」と教えられ、衝撃とともに「え、毎週?最高だ!」と心が躍ったのを覚えています。

金曜日だけの特別な雰囲気

この日は服装以上に、職場全体がカジュアルな雰囲気になります。

朝の挨拶もいつもより明るく、昼休みは普段デスクでササっと済ませている同僚も金曜日だけは近くのレストランへ。時には 2 時間くらい戻ってこない人もいます。午後になると、オフィスのあちこちから談笑や「今週末は何するの?」という会話が広がります。

金曜午後にはグループで勉強会のような時間を過ごすことが多いです。でも、その雰囲気は堅苦しさゼロ。ほとんどの場合、ボスが Tim Tam(定番のチョコクッキー)などのお菓子を持ってきてくれます。Tim Tam がテーブルに登場するだけで、みんながほっこり。質問や意見も出やすく、有意義なディスカッションになり、更には親睦も深まるのです。時にはボスが何の変哲もないお菓子を持ってくると「今日は Tim Tam じゃないの?」と残念がる声も。それすら微笑ましい瞬間です。勉強会という、どうしても詰まらなくて形式的なってしまうものをこのようにカジュアルにやることで有意義なものにするというアイデア(狙ってやっているわけではないかもしれませんが)はいいですね。

一人一人が Casual Friday のムードメーカー?

夕方になると”See ya, have a good weekend!” ”You too!”と笑顔で声をかけ合いながら退社していきます。ネイティヴの人にとってはただの形式的な挨拶かもしれませんが、僕にとっては、帰り際の同僚と互いの”good weekend”を願って軽く笑顔を交わして家路についていくのは気持ちいいです。日本で働いていたときは金曜日でも「お疲れ様でーす」だけでしたからね。同僚の皆が「週末が楽しみで金曜日の午後は仕事が手につかない」感がすごいので、よほどみんな週末が楽しみなんだなぁと感心します。いや、そりゃ僕だって週末は楽しみです。でもそんな遠足前日の小学生みたいにあからさまにその「楽しみ感」が出てしまうほどではないです。

で、僕はふと思ったんです。「あ、もしかして、そこまで言うほど週末が楽しみなわけではないのだけど、『金曜日くらいは楽しい雰囲気にしなきゃね!』と思ってそういう雰囲気を作ろうとそれぞれがちょっと頑張ってるのか?」と。

ムードメーカーとか盛り上げ役とか、そういう人いますよね。天然でそのようなキャラクターになっている場合もありますが、大概がその役を買って出ていると思います。自らを鼓舞してテンションを上げて、そのテンションを皆に伝えことで仲間全体の雰囲気をよくしていく役目ですね。僕は金曜日には「全員がちょっとしたムードメーカー」になっているのではと思ったんです。強烈なムードメーカーによって全体の雰囲気を良い方向に変えるのではなく、一人一人がほんの少しだけ「楽しもう」ムードを出すことで結果としてその場全体の雰囲気が良くなる、というイメージです。そういう風土がこの国には醸成されているように感じます。まぁ僕が考えすぎというか買いかぶりすぎているかもしれません。ただただ素直に遠足前日の小学生のように週末が待ちきれないだけかもしれません。いずれにせよ、素敵です。

何年もこの文化に触れてきましたが、今でも金曜日の朝は「今日はカジュアルフライデーだ!」と少しテンションが上がります。お気に入りのパーカーで出勤できるだけでもハッピーになれます。本当に素敵な職場文化だと思います。

記事一覧に戻る