ケアンズとウルルの旅

2025-08-21

はじめてのオーストラリア旅行

大学卒業の年、いよいよ海外旅行デビューを果たすはずでしたが、その時は結局オーストラリアには行きませんでした。しかし、就職して社会人 2 年目のゴールデンウィークに、ついに念願のオーストラリアへ旅立ちました。

ゴールデンウィークの連休に加え、数日間有給休暇も取得して、合計で 11 日間の旅行です。今振り返れば、社会人 2 年目にしては本当に贅沢な休暇だったと思います。

ケアンズで童心に帰る

まず一人でケアンズへ出発し、数日後には高校時代の友人と現地で合流。後半は二人でケアンズからウルルまで巡る旅となりました。

ケアンズといえばグレートバリアリーフ。ダイビングのライセンスを取得し、現地でダイビングに挑戦しました。水中の浮遊感、多彩なサンゴ礁、360 度を泳ぎ回る魚たち。水族館で見るのとはまったく違うリアリティです。「潜っている最中はリラックスして」とトレーナーにアドバイスされましたが、体は落ち着かせていても、心はずっと高揚していたのを覚えています。

ケアンズ近郊の観光名所、キュランダ村にも訪れました。「地球最古の森」として知られる世界遺産「クイーンズランド湿潤熱帯地域」に位置する、自然に囲まれた小さな村です。「キュランダ観光鉄道」に乗り、車窓からは壮大なバロンフォールズ(滝)や絶景ポイントが楽しめます。移動自体が特別な体験です。到着後は腹ごしらえも兼ねて村を散策し、帰りは「スカイレール」と呼ばれるロープウェイで熱帯雨林の上空を滑るようにケアンズへ。森と海、空の競演を眼下に眺める体験は圧巻でした。

その他には、熱気球に乗って朝日を眺めたり、川でラフティングをしたり、アサートン高原をドライブしたりと、自然たっぷりのネイチャーアクティビティを楽しみました。まるで子どもの頃に戻ったかのように、自然と戯れて遊んだんです。特にアサートン高原のドライブでは、どこまでも広がる草原をドライブしながら、美しい滝を訪れては滝に打たれ、湖を見つけては泳ぎ、童心に帰って無邪気に遊びました。

ウルルとカタ・ジュタの絶景に感嘆しっぱなし

ウルル・カタ・ジュタ国立公園には 1 泊だけの滞在。早朝にケアンズを飛び立ち、翌日の夕方には戻るという慌ただしい旅程でしたが、その分密度の濃い時間を過ごすことができました。

ウルルは圧倒的な一枚岩で、荒涼とした赤茶の大地の中に突然そこに現れます。遠くから見てもその忽然とした姿は異様です。

ウルルには夕焼けと朝焼けを見に出かけました。太陽の光に反射した美しい岩肌が、一刻ごとに色合いを変えていく様子は幻想的で、その場で 1 時間眺めても飽きませんでした。

カタ・ジュタは不思議な形をした巨大岩山群で、昼間はその谷間をトレッキングしました。まるでドラゴンボールのナメック星を彷彿とさせる(僕だけかもしれませんが)、未知の世界に足を踏み入れたような感覚です。真っ赤な大地、青い空、並ぶ巨岩。歩みとともに移り変わる風景に圧倒され続け、「なんだこの景色は!」と感嘆しっぱなしでした。

「いつか住みたい」と魅せられた特別な旅

この旅で感じたのはオーストラリアの自然の圧倒的なスケールとエネルギーです。日本の自然が「移ろいゆく季節、儚さ、わびさび」を通して静かな美しさを感じさせてくれるものだとすれば、オーストラリアのそれは「どうだ、すごいだろ!絶景だろ!」と力強く主張するダイナミックさを僕は感じました。その圧巻の景色に感動の連続でした。

仕事やお金のことを忘れ、自由で開放的な気持ちでめいっぱい遊び、雄大な自然に圧倒された初めてのオーストラリア旅行。

帰国前には「日本に帰りたくない」「もっとここにいたい」と感じ、「また絶対来たい」と強く思いました。ロンドンやスペインでも楽しい思い出はできましたが、オーストラリアの自然ほど強烈な印象は残っていません。

ケアンズ、ウルル、カタ・ジュタを巡ったこの初めてのオーストラリア旅行は、「また必ず戻ってきたい」「いつか住みたい」と決意を固めた特別な旅となりました。

再訪は早く訪れることになるのですが、その話はまた次の章で。

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